« 仙人谷への道 【第2話】 | トップページ | 仙人谷への道 【第4話】 »

仙人谷への道 【第3話】

8月31日(月) ~阿曽原への道 その3~

ダムブログのくせに一向にダムに到達しなくてスミマセン(笑)

01_  

12時50分にオリオ谷を出発。本日の目的地まではあと4km強だ。
このころには周囲はもう完全に雲の中で、対岸どころか崖下さえも白いモヤの中。
おかげで(というか残念なことにw)高度感を感じることなく「ただの狭い歩道」を黙々と歩く。
はるか下から響く激しい水流音を聞きながら薄暗いモヤのなかをただ独り、黙々と黙々と歩く。
・・もう正直言って不安と孤独感で押しつぶされそうだった。

  
さて、等高線に沿って伸びる水平歩道の中で、オリオ谷から阿曽原までの間に1か所だけ山に入って峠を越える区間がある。
両サイドを木々に囲まれ、久々に緊張から解放されて足取りも軽い。
しかし峠越えなので、途中階段やハシゴがあったりとなかなかハードである。

そして、とあるハシゴをゼーゼー言いながらうつむき加減で登りきりピークで顔を上げると、

なんと道の真ん中にが1匹でーんと座ってた!

むこうもキョトンとしてこちらを見ている。
お互い完全に予想外の状況。全くの遭遇戦である。
「・・目を離したら襲ってくる」と思い、思いっきりガンを飛ばす!

数秒経って少し気も落ち着いたら、ふと、周囲にも気配を感じた。

か・・ 囲まれている(汗)

なんと、周囲の木々や森の中にも仲間の猿が何頭もいて、キャッキャッ言い出した!
まさに多勢に無勢。このときほど単独行を後悔したことはなかった・・。
背後はハシゴがかかってるくらい急な坂なんで当然エスケープルートにはならない。
すると前に行くしかないのだが、お猿さんが通せんぼ。
まずはコイツを攻略するしか道はないようだ。

どうする?

ここで考えた選択肢は、
①威嚇して追い払う
②話しかけて友好的に去ってもらう
③このまま動かず、向こうが勝手に去るのを待つ

  
まず、絶対にやってはいけないことは「エサを与えて追い払う」
「コイツは何か持っている!」と思って集団で追いかけてくるから(かつて経験アリw)
①は、威嚇して逆に襲ってきたらヤバイので却下。②は・・当然却下(笑)
で、とりあえず③を選択。実のところ、動けなかったってのが本当なんだけどw

・・スキを見せないようにピクリとも動かず正面の猿と見つめ合う。
相手もまったく動く気配はない。両サイドではガサガサキャッキャッ。

状況が全く変化しないまま数分経過。このままでは埒があかないので、意を決して行動することにした。
どうしたかというと、「何事もなかったかのように進む」
そう、正面の猿を完全シカトして、早歩きでスタスタと前進することにしたのだ。

脇を抜けるときに襲ってくるのではないかという不安もあったが、まあその時はその時と腹を括った。
で、1歩前に進んだら、あ、逃げた(笑)
正面の猿は森の中へ。よっしゃ今だ、とほとんど小走りでその場を抜ける。
それから10分くらいは、ずっと両サイドや背後に猿の気配を感じながら嫌~な感じで歩くことになったけど、森を抜けて崖沿いの道になった頃にはその気配も消えていた。
こういったことがあったので、これ以降、下山するまで周囲で「ギャー」とか「ガサガサ」とか音がするたびにビクッとすることになる(泣)

 
02_dscf2025

歩き始めてはや4時間半。
ついに木々の向こうに目的地の阿曽原温泉小屋が見えたっ!!
・・しかしココから小屋までが意外に長かった。
長いつづら折りの急な下り道を延々と降り、膝がガクガクになってきた頃にようやく到着。
この橋を越えるとやっと目的地。

03_dscf2029

小屋の下にはそこそこの広さのテント場がある。(テン場から小屋を見上げる)

04_dscf2030 

  
さて、まずは小屋の主人に挨拶をしてチェックイン。
今日はオフシーズンの平日ということで、宿泊客は自分も合わせて4組だそう。剱岳から下山してきたパーティーが2組。十字峡を見に来た老夫婦1組。
そして、単独でダムを見に来た自分(爆)

  

さぁ、まずは秘湯マニアの中で有名なあの温泉へ!
湯船が一つしかないため、オンシーズンであれば1時間ずつ男女交代制となるのだが、
この日はお客が少ないので、「今、別のお客さんが入ってるから。彼らが上がったら君が入ればいいよ」 貸切交代制かよ!w
ということで、まったりコーヒーを飲みながら待つことに。

05_dscf2032_2

さて、この阿曽原温泉、湯船はなんと小屋から5分程度山道を降りたトコにある。(高低差約50m)

07_dscf2034

新黒三発電所の水路トンネル採掘中に湧き出たお湯を、横抗から引き出してパイプで直接湯船に流し込んでいる(写真左奥のパイプ)

そのままだと激アツなので、川から水を引き込んで直接湯船に流し込み、温度調節をしている(写真右手前のパイプ)
そして湯船からあふれたお湯はそのまま崖下の黒部川へと流れていく(写真左手前、湯船に切り欠きがあって、左にお湯が流れ出ている。崖は藻が生えて緑に変色している)
これぞ、まごうことなき100%かけ流しのお湯!!
脱衣所も洗い場も、もちろん仕切りもナシ、あるのは湯船だけ。
なんという豪快なお風呂!

06_dscf2040

ぽっかりと開いた横抗からは常に蒸気がモクモクと出ている。奥のほうは暗くて見えない。(突入する気はさすがにおきなかったw)

08_dscf2033

もうね、この解放感が堪らないw
湯船にまったり浸かりながら、山奥の雄大な景色を独り占め♪

でも、汗を流してサッパリしたのはいいけど、小屋に戻るのに登山道を10分近く登らないといけないので、また汗をかいてしまうってのが若干の欠点かな(爆)

 

Dscf2043

小屋に戻って夜までまったりと時間をつぶし、いよいよ夕食の時間。今回、荷物を極力少なくするため昼食以外は小屋のほうにお願いしている。

登山者にとっては秘境であるココも、関係者にとってはトロッコ列車に乗ってやってこれる場所であるため、山小屋と違って食材も豊富。

美味しい食事に舌鼓を打ちながら、他の宿泊客と登山話で盛り上がる。山小屋の楽しみっていったら、やっぱ他の登山者との一期一会なふれあいでしょ♪

 

黒部渓谷は猛烈な豪雪地帯であるため、雪崩で潰されないよう、この小屋は毎年10月末には解体されてしまう。
そのため、内部は非常に簡素なつくりとなっている。
おおきく4区画に仕切られ部屋分けされてはいるが、上部が抜けているので会話は筒抜けでプライバシーは全く無い。
小屋の定員は50名であるが、紅葉シーズンの連休ともなると100人を超える予約が入り、布団は2人で1枚、食堂までもがザコ寝客でギュウギュウになることもあるそうな。
でもこの日は4組しかお客がいないため、広~い部屋を独りで貸切。
・・ちょっと寂しいぞw

09_dscf2045

久々の山中泊で若干の興奮状態ではあったが、朝3時半起きなうえ長い距離を歩いた後なので、この日は20時半には就寝。
とりあえず今日一日、無事でヨカッタ~♪

  

次回、ようやくダムに到達!(笑)

|

« 仙人谷への道 【第2話】 | トップページ | 仙人谷への道 【第4話】 »

コメント

お疲れ様です。

おおお。
山小屋到着。
温泉も凄いけど宿を毎年解体するなんて吃驚です。
解体した資材を整然と積み上げてまた来年ってするんですね。凄いな~。

ちなみにご飯は?

  夜雀 拝

投稿: 夜雀 | 2010年3月 7日 (日) 22時05分

>夜雀さん
この阿曽原も、かつて泡雪崩で多数の死者が出た冬期危険地帯なので、解体するのは当然の選択だと思います。

ご飯について、本文に追加しました~♪

投稿: ひろ@ | 2010年3月 8日 (月) 19時59分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 仙人谷への道 【第3話】:

« 仙人谷への道 【第2話】 | トップページ | 仙人谷への道 【第4話】 »